扶養とは自力で生活できない者の面倒をみ、養うこととなっています。
例えば年収500万円の独身者と年収500万円の夫婦で妻が専業主婦の場合に同じだけ税金を取ると不公平ですよね。
独身者は生活費など一人分で良いですが、夫婦の方は二人分かかってくるので生活の面倒を見ている人は決められた控除、税金を少しサービスしますよという事です。
扶養には税金上の扶養と社会保険上の扶養があります。
■税金上の扶養
・夫婦どちらかの扶養に入れるか選ぶ事ができる。
・16歳未満の子供は扶養控除はなし
・兄弟でも分ける事ができる
・一般的に年収の高い方につけるのが有利
・給与収入103万円まで(配偶者のみ150万円まで)
・生計を一など
■社会保険上の扶養
・1年間の見込み収入が130万円未満
・同居が条件
・どちらかの会社で子供の保険証を出すかということ
・子供を扶養に入れるかどうかは健康保険組合が決める
・国民健康保険には扶養の概念がない→子供も国民健康保険に加入して保険料がかかる
住民税の非課税基準
住民税には非課税基準というものがあり、扶養している人の数によって、所得が一定金額以下の場合は住民税の所得割が非課税になるという取り扱いがあります。
■所得=収入ー経費
サラリーマンの方は経費にあたるのが給与所得控除になります。
■住民税とは所得に応じて決まる「所得割」のほか、一律に課される「均等割り」があり、この2つを合わせて住民税と呼びます。
以前は年少扶養控除があり16歳未満のお子さんを扶養している場合に扶養控除がありましたが、現在は児童手当があるので上記は廃止になりました。
ここで、所得税の計算上では夫、妻のどちらの扶養に入れたとしても「控除額がゼロ」なので損や得などありませんが、「扶養控除がゼロであっても扶養親族に違いはない」
ここがポイントになってきます。
■住民税(所得割)の非課税限度額
所得金額の合計≦35万円 × (1+同一生計配偶者+扶養親族の数)+32万円
32万円の部分は市町村で若干差異があり大阪市は21万円になります。
重要なのは、この計算式の扶養人数には、16歳未満の子供も含まれることです。
所得税の計算での控除は無いですが住民税では変わってきます。
なので場合によっては年収が高い方に扶養を付けるのではなく年収が低い方につけると節税になる可能性があります。
例えば夫:年収600万円 妻:年収200万円 子供2人(3歳・1歳)
※人によって社会保険料控除・生命保険料控除は変わってきますので考えない物とします。
①子供2人を夫の扶養にした場合の、妻の住民税(所得割)
200万円-68万円(給与所得控除)=132万円(所得)
132万円(所得)-33万円(住民税の基礎控除)=99万円(課税所得)
99万円(課税所得)×10%(住民税税率)=9.9万円
となるので、扶養を妻の方につけたとして上のお子さんが15歳の12年間続けた場合夫の扶養とした場合と比較すると
9万9000円 × 12年=118.8万円
これぐらい変わってきます。家族で海外旅行いけそうですね。
まとめ
年収が高い方に基本的には子供の扶養をつけますが、場合によってはご夫婦で年収が低い方に16歳未満のお子さんを付ける事によって住民税の優遇を受ける事ができるので一度見られてはどうでしょうか。
しかし、児童手当や会社の家族手当など子供の扶養を外した場合に影響が出る場合があるので総合的に判断する事が大事です。