こんにちはskotti松田です。
今回はNISAの中でも「ジュニアNISA」についてです。
よくお子さんが産まれた時に学資としてジュニアNISAをするのはどうなんですか?
とご質問をいただきます。
ただ、この子ども版NISAは2020年12月の税制改正大綱によって
2023年に廃止が決定されました。
どんな制度だったのかを見てみたいと思います。
はじめに
金融庁は「貯蓄から投資へ」という合言葉とともに
投資による資産形成を推進するために様々な取り組みを行っています。
日本人が保有する金融資産における資産運用の割合が
アメリカなどの諸先進国と比較して極端に低いという実情があります。
金融庁はこうした実態を危惧して
2014年にイギリスの「I S A(Individual Saving Account=個人貯蓄口座)」
を参考にして考えたのがNISAです。
その2年後の2016年にジュニアNISA、2018年に積立NISAが創設されました。
ジュニアNISAとは

0歳から19歳までを対象として
年間80万円までの投資であれば株や投資信託の運用による利益や配当金が
5年間非課税になる制度のことです。
また、親権者がお子さんのために代理して運用を行うことができます。
ですので、80万円を5年間の非課税期間で運用すると
最大で400万円を運用することができます。
ジュニアNISAの口座開設目的は金融庁のアンケートから
教育資金の準備が1番多くなっています。
将来かかる大学授業料などの準備金として
中長期的な資金形成を促す目的ですので
親の遊ぶお金目的ではないことです。
ジュニアNISAのメリット
①運用して得た利益に対して20.315%の税金が免除される
NISAと同じで、株や投資信託の売却益や配当が非課税となります。
例えば、子どもが0歳の時に50万円分の株式ファンドを購入して
15年後に3倍の150万になっていたとしても税金は1円もかかりません。
本来でした、利益分の100万円に対して約20%の税金が課税されますので
20万円の税金が引かれた80万円しか手元に残りません。
この20 万円分が非課税になりますので、100万円が手元に残るということです。
②投資資金も少額からできる
商品によっては、1万円以内の少額から購入できる株式や投資信託もあります。
③非課税期間は最大5年間
NISAと同じで投資した年から最大5年間が非課税の取扱いを受けられます。
ジュニアNISAのデメリット
①損益通算・繰越控除ができない
本来の株式投資や投資信託などの譲渡損失は
確定申告することで最大3年間繰り越して損益通算することができます。
ですが
他の口座で保有している金融商品で得た利益と損失を相殺することはできません。
②金融機関の変更ができない
NISAでは、1年に1回金融機関の変更が可能です。
ですが
ジュニアNISAでは変更する場合は一度解約してから別の金融機関へと切り替えなければなりません。
ちなみに解約してしまうと過去に遡って、利益全てに課税されてしまいます。
③18歳までの払い出し制限がある
最大のデメリットはこれです。
原則として子どもが18歳になるまで払い出しができません。
例えば、子どもを公立に通わせようと思っていたけど、私立に行きたいと言い出した。
そこで資金確保するために途中で引き出すことはできません。
また、子どもが16歳になったときに十分利益が出たので
利益確定しようと思ってもできないです。
その後
18歳になるタイミングで大暴落したとしても何も対応できないということでした。
ジュニアNISA廃止によるメリット
制度廃止によってまさかの大きなメリットが出ました。
最大のデメリットであった「18歳までの払い出し制限がある」のが
制度廃止後の2024年に解除されるので
いつでも非課税で引き出しすることができるようになりました。
投資可能期間は2023年までですが
以降は口座開設者(子ども)が20歳になるまで保有可能で
自由に引き出して使うことができるという利便性が向上しました。
まとめ
ジュニアNISAは利便性の点からいって、今まで全く使い物になりませんでした。
なので、他のNISAと比べて圧倒的に普及していませんでした。
NISA:約1162万口座
つみたてNISA:約147万口座
ジュニアNISA:約33万口座
ですが、制度廃止によりいつでも自由に引き出しが可能になったことで
世帯での非課税枠が広がりました。
仮に今から始めてもあと3年ありますので
80万×3年=240万分も非課税で投資することができます。
子どもがまだまだ小さかったらジュニアNISAも視野に入れるのもアリですね。